じめじめとした、外の光も入らない暗い部屋の中。
ロウソクぐらいしか明かりが無い中で……
「おじさん……」
オレは壁に両腕を拘束されて、身動きがとれずにいた。
「約束、破りましたね?」
もう、そうくんってば!
from "らき☆すた - Lucky☆Star -"
Written by Kazuki Takatori
「ゆ、ゆいちゃん?!」
コンクリートの壁に響くゆいちゃんの声は、とっても冷たく、
「気安く『ゆいちゃん』だなんて呼ばないでください、おじさん……いや『泉そうじろう』」
ロウソクに浮かび上がる姿は、肌が露出しまくりのボンテージルックだった。
「な、なにそんなカッコしてるのかな?! というかきよたか君が見たら泣く――」
「黙ってください」
ヒュンッ、ピシィッ!!
風を切る音が聞こえたかと思うと、オレの顔の横で鋭い音――ムチの音が響いた。
「ゆたかに必要以上にベタベタしないでって言ったのに……それに、ドアを開けっ放しでトイレに入るだなんて」
「いや、ほら、それはスキンシップで! トイレについてはオレの癖だしっ!」
「それは全部……不可抗力だと言いたいわけですね?」
「うんうんうんうんっ」
オレは懸命にうなずいたけど、炎にゆらめくゆいちゃんの瞳はとっても冷たい。
「では……こういうことも、不可抗力のスキンシップですね」
ヒュンッ、ピシィッ!!
「あぐぅっ!?」
ふ、太ももが、太ももがぁっ!
思いっきりムチを打ち付けられて、オレの太ももに強い痺れが走る……
「こうなったら、教育してあげますよ……私のこの手で」
「じょ……女王さまぁ」
ムチを持ったその姿は、まさに女王様そのもので……痺れた箇所が快感に変わっていく。
「ふふふっ、そんな震えた声を出しちゃって。そんなに気持ちよかったですかぁ?」
まるで小悪魔のような、挑発的な声。
舌なめずりをしながら、ゆいちゃんは太もものレザーホルスターから拳銃を……って、えぇっ?!
「だったら、拳銃でそこを撃ち抜いたらさぞかし気持ちいいんでしょうねぇ」
「じゅ、銃だけは、銃だけはっ!!」
「あははっ、今拒否したって遅いですよ……イッちゃってください、お・じ・さ・ん♪」
引き金にかかった指が、少しずつ、少しずつ引かれて……でも、それだけは! それだけはぁ!!
「さよならー♪」
パァンッ!!
「……あはははは……うふふふふ……ああっ、それいい、それ……ぐははっ、ああっ、じょーおーさまー……うあっ、じゅーは、じゅーはー……でも、いい、いいー……」
「おじさん、なんかとんでもない夢見てるみたいだねー」
「ホント、どうしようもない夢見てるみたいだねー……このエロエロおとーさん」
私とゆい姉さんは、ゆーちゃんの後ろに立ちながら思いっきり醒めた目でお父さんを見ていた。
「えっ、えっ?」
ゆーちゃんはというと、私に目を、ゆい姉さんに耳をふさがれながらおろおろしている。
……いや、よだれをたらして眠りながらトンデモナイ寝言をほざいてるこの人の姿を、ゆーちゃんには見せられるわけないって。ただでさえR-18な寝言なのに、デレデレにとけきった顔まで見たら合わせ技でX指定だっての。
「とりあえずさー、こなた」
「なにー?」
「後でおじさんのこと、軽くおしおきしてもイイカナ?」
「あー……やめておいたほうがいいんじゃない? この寝言聞くと、ただのごほうびにしかなんないだろーし」
この寝言はどう聞いても陵辱だよねぇ……しかも自分がされてるほうじゃん。
「とりあえずは……ゆたかをここから連れ出そっか」
「それが一番やねー」
私はそう言いながら、ゆーちゃんのことをお姫様だっこしてお父さんに背を向けた。
「こ、こなたお姉ちゃん? ゆいお姉ちゃん?」
「あー、ちょーっと子供には刺激が強いから上に行こうねー」
「放置しとくのが一番だよー」
そして、そのままリビングから脱出していく。ぐっばいお父さん。今日だけはあなたのことを忘れさせてくださいっ!!
「ああ、うたないでー……うたないで……えー、うたないのー? ああっ、あたまは、おでこだけは……わかりましたぁ……ゆいさまぁ、わたしはあなたのいぬですぅ……」
お父さん、リビングから声が漏れてるよ……
ほんっとーに……あなたの夢はホンッッッッッッッットーに最低だ!!
《妄想くんってば!》 完