神様のごほうびとかで、私のパソコンに住むことになったお母さん。
さっきまでは、初めての親娘の会話をチャットで楽しんでいたんだけど……
「う〜」
『む〜』
今は何故か、画面を挟んでにらみ合いをしている。
その6・こんどはせんそうだ
Written by Kazuki Takatori
『入れちゃだめですからね』
『入れちゃだめなんて、そんなウブじゃないんだからさー』
『そ、そういう風にとらないでくださいっ! とにかく、だめなものはだめですからねっ!』
『せっかく娘が大人の階段を昇り始めてるっていうのにー』
私はそう言いながら、手にしているものをお母さんに見せつけた。
『そんな卑猥なものを見せつけないでください!』
『もー、初々しいんだから』
手にしているのは、こないだ中古で買ったエロゲのパッケージ。表側は全然えっちくないのに、お母さんってばエクスプローラーの後ろから顔を赤くして見ている。
「まあいいや、CD−ROMだし、どうせ中身まで消されることはないもんねー」
『きゃぁぁぁぁぁぁ!』
トレイを開いてCD−ROMをのっけて、んでもってクローズと。
がしょーん……がしょーん、がちゃんっ
「……ん?」
閉じたトレイが勝手に開いたけど……っておーい!
『はあっ、はあっ』
なに右クリックメニューの『取り出し』を押してるのさっ!
『ぜーったい、ダメですっ!』
『うー、けちーっ!』
こうなったら、ちゃんと入るまでやってやる!
がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ
がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ、がしょん……
「ぜえっ、ぜえっ」
『はあっ、はあっ』
うう、もう何十回目だろ……このままじゃドライブも壊れるよ……えーいっ、これが最後の勝負!
お母さんが肩で息をしているスキに、私はまたトレイをクローズした。
『ううっ、もー……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
そう叫んで、お母さんは思いっきり『取り出し』に正拳突きをして、
ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅがしょんっ! ……ごいんっ!!
「ぷぎゃっ?!」
私のおでこに……CDが……CDが……
『あっ、だ……大丈夫?』
さ、さすがは私のお母さん……見事な……突き……で……
『わーっ! こなたーっ!?』
がっくり。