メッセージ欄
2008年11月の日記
▼ 2008/11/23(日) 見えないことへの不安――「コミックマーケット」見本誌図書館設立問題
前々回"【重要】高みでの独走――「コミックマーケット」見本誌図書館設立問題"からの続きの記事です。
前々回では基本的に「なんでサークルに向けてはっきり周知しないのか」と「個人情報などの扱いは本当にそれでいいのか」という疑問点を挙げた形の記事にしたわけですが、自分としては5月7日の記事(積み重ねられてきた、そして積み重ねるべき「信頼」――「COMIC1」見本誌寄贈問題)に書いたとおり、自分は問題点や課題をクリアしてさえいれば同人誌図書館はあってもいいと考えている立場です。個人的にその一例を挙げてみると、
以前は奥付に住所+本名というのが通常でしたが、近年の社会情勢によってそのまま載せるのは危険という風潮が広まってきました。特に女性サークルや現在商業誌などで活動される方にその傾向が強く、メールアドレスやURLを連絡先として記載する方も増えてきました。*1
そして、現在商業誌の第一線で活躍している方の同人誌時代の奥付などを見ると、しっかり住所が書いてあったりするものもあります。今となっては知られたくないという人もいらっしゃるでしょうし、何より「今は住んでいない」場所だとしたらトラブルの元にもなりかねません。
でも、局留めなどへの変更や消し修正などで対応できるのであれば、協力したいと思うサークルの方もいらっしゃるでしょう。今まで見本誌に関してはサークルと準備会の信頼関係のもとに成り立ってきたわけですから、柔軟性を持った上での運営であれば信頼は築けるはずです。また、そういった窓口を設ければ副次効果として「カレントアウェアネス」に記載されていた「コミケ・コミティア以外の同人誌の収集」も可能でしょう。
考えられるものの一例としてこのように挙げてみましたが、そういった形である程度のビジョンを提示していれば、サークル側も前提知識を得て考えることが出来ると思います。しかし、これまでそれがサークル側に提示されることはありませんでした。『構想』に関しては、以前のコミケットマニュアルから書いてあるというのはマニュアルをよく読んでいる方なら知っている方もいるでしょう。また、今回のアンケート結果の報告自体は準備会が設問したものですから、ここまでは全くもって問題ないと思います。ですが、まだビジョンを提示していない状態(もしくは、まだ構想も確定していない段階)で「反対意見」云々の文言を出したのは、単に思ったことを書いた人間にとってはあまりにも唐突すぎるのではないでしょうか。
COMIC1の時と同様に漠然としたまま進められては、事態が把握しづらいサークルにとって不安ばかりが募ると思うのです。C74の拡大準備集会の際に「見本誌については場所、サークルへの伺いなどの問題が多い」という準備会からの発言があり、カレントアウェアネスでも懸念事項として書かれていたことを考えると、さすがにそのあたりは念頭には置いているようですので、もう少し焦らず、サークル側にもわかりやすいように段階的に事を運んでいただきたいと思うのです。
今回の自分の発言が各所に不要な騒動の種を撒いてしまったり、煽るような形になってしまったかもしれません。ですが、以前と同様に置いてきぼりにされ「見えない」ことで不安になっているサークル側の人間がいることも皆様にわかっていただきたいのです。全てが全て理解している、知っている、かつ納得できる人間ばかりではないのです。「不安に思うこと自体が甘い」という方や「理念から逸脱した考えだ」と思う方もいらっしゃるでしょう。けれども、サークル側の中には事実そう思っている人間もいるということで、前々回から今回までこのように記させていただいた次第です。
前々回では基本的に「なんでサークルに向けてはっきり周知しないのか」と「個人情報などの扱いは本当にそれでいいのか」という疑問点を挙げた形の記事にしたわけですが、自分としては5月7日の記事(積み重ねられてきた、そして積み重ねるべき「信頼」――「COMIC1」見本誌寄贈問題)に書いたとおり、自分は問題点や課題をクリアしてさえいれば同人誌図書館はあってもいいと考えている立場です。個人的にその一例を挙げてみると、
- 個人情報に関しての対応。
(社会情勢の変化によるプライバシーなどへの対応) - サークル側としっかり折衝してほしい。
(互いに信頼関係を築いた上で) - 持ち去り・盗撮などへの対策はしっかりしてほしい。
(これはおそらく構想の中にあると思われますが) - 設立構想に際しての経緯・ビジョンなどをちゃんと説明してほしい。 etc.
以前は奥付に住所+本名というのが通常でしたが、近年の社会情勢によってそのまま載せるのは危険という風潮が広まってきました。特に女性サークルや現在商業誌などで活動される方にその傾向が強く、メールアドレスやURLを連絡先として記載する方も増えてきました。*1
そして、現在商業誌の第一線で活躍している方の同人誌時代の奥付などを見ると、しっかり住所が書いてあったりするものもあります。今となっては知られたくないという人もいらっしゃるでしょうし、何より「今は住んでいない」場所だとしたらトラブルの元にもなりかねません。
でも、局留めなどへの変更や消し修正などで対応できるのであれば、協力したいと思うサークルの方もいらっしゃるでしょう。今まで見本誌に関してはサークルと準備会の信頼関係のもとに成り立ってきたわけですから、柔軟性を持った上での運営であれば信頼は築けるはずです。また、そういった窓口を設ければ副次効果として「カレントアウェアネス」に記載されていた「コミケ・コミティア以外の同人誌の収集」も可能でしょう。
考えられるものの一例としてこのように挙げてみましたが、そういった形である程度のビジョンを提示していれば、サークル側も前提知識を得て考えることが出来ると思います。しかし、これまでそれがサークル側に提示されることはありませんでした。『構想』に関しては、以前のコミケットマニュアルから書いてあるというのはマニュアルをよく読んでいる方なら知っている方もいるでしょう。また、今回のアンケート結果の報告自体は準備会が設問したものですから、ここまでは全くもって問題ないと思います。ですが、まだビジョンを提示していない状態(もしくは、まだ構想も確定していない段階)で「反対意見」云々の文言を出したのは、単に思ったことを書いた人間にとってはあまりにも唐突すぎるのではないでしょうか。
COMIC1の時と同様に漠然としたまま進められては、事態が把握しづらいサークルにとって不安ばかりが募ると思うのです。C74の拡大準備集会の際に「見本誌については場所、サークルへの伺いなどの問題が多い」という準備会からの発言があり、カレントアウェアネスでも懸念事項として書かれていたことを考えると、さすがにそのあたりは念頭には置いているようですので、もう少し焦らず、サークル側にもわかりやすいように段階的に事を運んでいただきたいと思うのです。
今回の自分の発言が各所に不要な騒動の種を撒いてしまったり、煽るような形になってしまったかもしれません。ですが、以前と同様に置いてきぼりにされ「見えない」ことで不安になっているサークル側の人間がいることも皆様にわかっていただきたいのです。全てが全て理解している、知っている、かつ納得できる人間ばかりではないのです。「不安に思うこと自体が甘い」という方や「理念から逸脱した考えだ」と思う方もいらっしゃるでしょう。けれども、サークル側の中には事実そう思っている人間もいるということで、前々回から今回までこのように記させていただいた次第です。
*1 : しかし「発行者責任という面でそれはいかがなものか」という意見も見受けられます。
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▼ 2008/11/17(月) とりあえず、まとめてみる――「COMIC1」見本誌寄贈問題&「コミックマーケット」見本誌図書館設立問題
個人的な感情を可能な限り排し、これまでの「同人誌見本誌図書館」に関する流れなどを時系列ごとにまとめ、判明していることなどQ&A形式で列挙してみました。
<「コミックマーケット75」アピール「ごあいさつ」より抜粋>
今回の申し込みにおいて、コミケットが長期目標としている「同人誌図書館」の公開形態について、サークルの皆さんにアンケートを実施しました。その結果ですが、「誰でも利用可能:25%」「前提知識を持つ人に公開:61%」「研究目的のみ公開:10%」「反対:5%」となりました。今後については、このアンケート結果や、自由記述いただいた反対理由にも留意しつつ、さらに検討を深めていきたいと思います。
ただ、反対理由の中には「奥付の住所・氏名は『個人情報』である」、「限られた個人の趣味だから」、「サークルの売り上げが落ちる」という意見もありました。何を懸念されているか理解はできるのですが、一方で、自分が同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしいと思います。不特定多数に頒布を行う同人誌活動は決して 責任から放たれた「美味しいところ取り」ではありません。
また、図書館というのは、新しい出会い・発見の場でもあり、文化の蓄積の場でもあります。前回の繰り返しにはなりますが、社会から注目を受けるようになった同人誌の世界を、内部の論理だけで社会に納得させていくことは難しいことです。
Q1.同人誌図書館ってどういう計画なの?
【関連記事】
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| 正確時期不明 | コミケサークル申込書に、将来の目標としての「同人誌図書館」の計画が記載される。 |
| 2008.??.?? | 明治大学の2007年度事業報告書に「米澤嘉博記念図書館(仮称)」の設立計画が記載される。 |
| 2008.04.19 | 「COMIC1」の準備会日記に「見本誌」というエントリが投稿され「見本誌を明治大学に寄贈する」と決定事項として記載される |
| 2008.04.?? | 各所で様々な反応が巻き起こる。 |
| 2008.04.23 | 「COMIC1」の準備会日記に「児童ポルノ法の行方」というエントリが投稿される。この件に関する意図は不明。 |
| 2008.04.25 | 「COMIC1」の準備会日記に「見本誌の件」というエントリが投稿され、混乱を詫びた上で「寄贈に変更はない」と記載。「同人誌を守り、文化に近づけるためには」という主旨も併記。 |
| 同日夜 | 「COMIC1」の準備会日記に「見本誌寄贈の件」というエントリが投稿され「寄贈したくないサークルは見本誌回収袋の裏に×印を書くように」と選択権が与えられる。 |
| 2008.04.27 | 「COMIC1」第2回開催。前出の対応がとられる。 |
| 2008.06.上 | 「コミックマーケット74」当落通知発送。見本誌図書館に関する記載はされず。 |
| 2008.07.21 | 「コミックマーケット74」拡大準備集会開催。見本誌図書館に関して「COMIC1では実験的に実施」「コミケットでは寄贈でなく貸し出しの予定」という発言がされる。(参考:「あっとまーく・いんくりめんと」さんの該当記事) |
| 2008.08.中 | 「コミックマーケット75」参加申込書販売開始。サークル向けアンケートに「同人誌図書館の公開の形について」という設問が記載される。 |
| 2008.09.20 | 「カレントアウェアネス」にて、コミケ代表及びスタッフである安田かほる氏、筆谷芳行氏、市川孝一氏、里見直紀氏の連名で「マンガ同人誌の保存と利活用に向けて −コミックマーケットの事例から−」という記事が掲載され、見本誌の現状と図書館に関する展望や課題、「米澤嘉博記念図書館」(仮称)にコミケで収集された見本誌の一部を収蔵したい旨などが記載される。 |
| 2008.10.下 | 「コミックマーケット75」当落通知発送。「ごあいさつ」にて「同人誌図書館の公開の形について」のアンケート結果が報告される。 |
今回の申し込みにおいて、コミケットが長期目標としている「同人誌図書館」の公開形態について、サークルの皆さんにアンケートを実施しました。その結果ですが、「誰でも利用可能:25%」「前提知識を持つ人に公開:61%」「研究目的のみ公開:10%」「反対:5%」となりました。今後については、このアンケート結果や、自由記述いただいた反対理由にも留意しつつ、さらに検討を深めていきたいと思います。
ただ、反対理由の中には「奥付の住所・氏名は『個人情報』である」、「限られた個人の趣味だから」、「サークルの売り上げが落ちる」という意見もありました。何を懸念されているか理解はできるのですが、一方で、自分が同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしいと思います。不特定多数に頒布を行う同人誌活動は決して 責任から放たれた「美味しいところ取り」ではありません。
また、図書館というのは、新しい出会い・発見の場でもあり、文化の蓄積の場でもあります。前回の繰り返しにはなりますが、社会から注目を受けるようになった同人誌の世界を、内部の論理だけで社会に納得させていくことは難しいことです。
Q1.同人誌図書館ってどういう計画なの?
- コミックマーケットでは出展される同人誌の内容をチェックする機構として「コミケでの新刊を見本誌として提出する」というシステムが採用されており、その際に集められた見本誌を利用し図書館を作るという計画です。
- 不明ではあるのですが、コミックマーケットの前代表である故・米澤嘉博氏の頃から「将来の目標」としてコミックマーケットの申込書の「見本誌回収」の説明の項に記載されていました。
- 現在のコミックマーケット準備会です。
また、別件ではありますがコミックマーケットの代表のお一人である市川孝一氏が主催している「COMIC1」でも、第2回以降同意を得られた参加サークルの見本誌を明治大学に寄贈する意向です。(上記の表参照)
- 現代表諸氏らが執筆した「カレントアウェアネス」の該当記事には「日本のコンテンツ文化の大きな部分を同人活動などが担っていて、同人誌の研究の必要性が高まっているため」(要約)と記載されていますが、2008年11月17日現在、サークル参加者側に向けて正式に計画や意図が説明されたことはありません。
- 「カレントアウェアネス」の該当記事によるとおよそ200万冊弱。現在は埼玉にある見本誌収蔵用の倉庫に集積されています。
- まだ計画段階だそうなので、不明です。
但し、一部見本誌は明治大学に開設される「米澤嘉博記念図書館(仮称)」に貸し出しす予定だそうです。
- まだ計画段階だそうなので、不明です。
- まだ計画段階だそうなので、不明です。
- まだ計画段階だそうなので、不明です。
- まだ計画段階だそうなので、不明です。
- まだ計画段階だそうなので、不明です。
参考までに「COMIC1」第2回分では開催2日前までは全サークル強制方式で、その後選択制へと移行しました。第1回分の見本誌の取り扱いは不明です。
- まだ計画段階だそうなので、不明です。
準備会では「自分が同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしいと思います」(コミックマーケット75「ごあいさつ」該当部より)という方針のようです。
- 2008年11月17日現在、計画の概要などは示されていません。
【関連記事】
- 【重要】同人誌即売会「COMIC1」で集積された見本誌が、参加者に事前の告知なく明治大学図書館へ寄贈へ?
- 霧は未だ晴れず、まだ遮り続ける――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- すれ違いの不幸――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- 積み重ねられてきた、そして積み重ねるべき「信頼」――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- 女性サークル参加者が見た今回の騒動――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- 「米澤嘉博記念図書館」の話題が明治大学の資料に掲載――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- たどっていくべき順序――「COMIC1・コミックマーケット」見本誌明治大学寄贈問題
- 【重要】高みでの独走――「コミックマーケット」見本誌図書館設立問題
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[同人と図書館]とりあえず、まとめてみる――「コミックマーケット」見本誌図書館設立の希望
Myrmecoleon in Paradoxical Library. はてな新館鷹取かずき氏がとりあえず、まとめてみる――「COMIC1」見本誌寄贈問題&「コミックマーケット」見本誌図書館設立問題 - rough note.とのエントリで,COMIC1の見本誌寄贈問題とその後についてまとめてくれている。これにこたえて,それ以前までの...
▼ 2008/11/16(日) 【重要】高みでの独走――「コミックマーケット」見本誌図書館設立問題
コミケット75アピール「ごあいさつ」より。
今回の申し込みにおいて、コミケットが長期目標としている「同人誌図書館」の公開形態について、サークルの皆さんにアンケートを実施しました。その結果ですが、「誰でも利用可能:25%」「前提知識を持つ人に公開:61%」「研究目的のみ公開:10%」「反対:5%」となりました。今後については、このアンケート結果や、自由記述いただいた反対理由にも留意しつつ、さらに検討を深めていきたいと思います。
ただ、反対理由の中には「奥付の住所・氏名は『個人情報』である」、「限られた個人の趣味だから」、「サークルの売り上げが落ちる」という意見もありました。何を懸念されているか理解はできるのですが、一方で、自分が同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしいと思います。不特定多数に頒布を行う同人誌活動は決して 責任から放たれた「美味しいところ取り」ではありません。
また、図書館というのは、新しい出会い・発見の場でもあり、文化の蓄積の場でもあります。前回の繰り返しにはなりますが、社会から注目を受けるようになった同人誌の世界を、内部の論理だけで社会に納得させていくことは難しいことです。
ついにといいますか、やはりといいますか、同人誌図書館問題がついに「COMIC1」から「コミックマーケット」へとシフトしてきました。代表の一人が兼任しているこということで想像はつきましたが、こうも早急な行動に出るとは思わず驚いたというのが本音です。
《たどっていくべき順序――「COMIC1・コミックマーケット」見本誌明治大学寄贈問題》で書いた文の中に『おそらくこれから段階を踏んでサークル側にも働きかけていくことになるのでしょう』という風に書いたとおり、コミケ準備会はコミケ75の申し込みで図書館設立に関するアンケートを行いました。その結果が前出の「ごあいさつ」になるのですが、一部反対意見に対して『自分が同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしい』という、不明瞭な問いかけが行われました。
コミケが同人においての総本山のようなものというのは、確かに動かしようのない事実だと思います。しかし、あくまでも同人誌界の「一部」にコミケがあるのであって「全て」をコミケが占めているわけではありません。それに、同人の形態というのはジャンルごとどころか個人ごとにも違うわけで、考え方も本当に人それぞれです。
なのに、一部反対意見を一括りにした上で『同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしいと思います』と"同じ同人誌好きであったはずの人たち"から高みから見下ろしたような視線で言われましても、ただ戸惑うことしか出来ません。何故なら『同人誌を発行していることの意味』なんて、本当に人それぞれ違うはずなのですから。
作品の研究が高じて同人誌を作ろうと思った人がいる。
自分で考えた作品をどうしても形にしたいと思った人がいる。
特定作品が好きでたまらなくて同人誌を作ろうと思った人がいる。
友達が同人誌を作ろうって誘ってくれたからやろうと思った人がいる。
ショップで手に取った同人誌を見て自分も作りたいと思った人がいる。
原作ではさわり程度だったキャラ同士の恋愛シーンを見たいと思った人がいる。
終了した作品の続きを読みたくて自分でその続きを作ろうと思った人がいる。
ちょっと考えてみただけでもこれだけ出てきて、それぞれ考えていることも違うはずなのに、等しく「発行していることの意味」というものを突きつけた上で図書館の是非を問われましても、わけがわからず混乱する人だっているのではないでしょうか。同人に足を踏み入れたばかりの人や中高生には理解しがたいでしょうし、そもそも同人というものはそんなに敷居が高いものだったのでしょうか?
もし本当にサークルの協力を得た上で恒常的に公開をしたいのであれば、サークルに対して何らかのビジョンの提示があってから進められる話だと思うのですが、それらはようやくマンガ同人誌の保存と利活用に向けて −コミックマーケットの事例から−というWebページである程度公開されはしたものの、肝心のサークルに向けては前出のアンケートと「ごあいさつ」のみ。周知に足りうるものではありません。
また、恒常的な公開で付きものになるであろう「個人情報」問題も些細なことかのように扱っているのには苦笑いするばかりです。果たしてそれすらも「発行していることの責任」になるのでしょうか? こういった情報を一括して扱う場所を作るならば、起こりうる事態を最大限想定しておかないといけないはずだと思うのですが……
「図書館作りを進めよう」と思いついた人は一人もしくは数人でも、これまで数万人、数十万人、過去まで遡れば数百万人にも及ぶかもれしない人たちが様々な思いを携えて同人誌に関わってきたはずです。そして、その人達が向いていた方向は全員がバラバラ。それら色々な意見・思想を内包していくイベントだったはずだったコミケが、あらゆる前提をすっ飛ばして"同人活動に伴う責任"というものを突然突きつけて一つの方向に向かおうとしているのは残念でなりません。
準備会はこの「まず図書館作りありき」の動きを止める気はないようですが、これも「コミケは代替わりして、方針も変わった」と思うしかないのでしょうか。しかし、図書館での恒常的な公開に際し参加者の自由意志さえ奪われることになるのであれば、数えきれないほどの参加者が育て上げてきた場が「限られた人たち」の手で掌握されるということを意味するわけで、あまりにも先走りしすぎな行動と併せ、良き結末を迎えられるかどうか疑問に思います。
<2008.11.17 18:10 追記>
同人誌見本誌図書館に関する現状をまとめてみました。
【関連記事】
今回の申し込みにおいて、コミケットが長期目標としている「同人誌図書館」の公開形態について、サークルの皆さんにアンケートを実施しました。その結果ですが、「誰でも利用可能:25%」「前提知識を持つ人に公開:61%」「研究目的のみ公開:10%」「反対:5%」となりました。今後については、このアンケート結果や、自由記述いただいた反対理由にも留意しつつ、さらに検討を深めていきたいと思います。
ただ、反対理由の中には「奥付の住所・氏名は『個人情報』である」、「限られた個人の趣味だから」、「サークルの売り上げが落ちる」という意見もありました。何を懸念されているか理解はできるのですが、一方で、自分が同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしいと思います。不特定多数に頒布を行う同人誌活動は決して 責任から放たれた「美味しいところ取り」ではありません。
また、図書館というのは、新しい出会い・発見の場でもあり、文化の蓄積の場でもあります。前回の繰り返しにはなりますが、社会から注目を受けるようになった同人誌の世界を、内部の論理だけで社会に納得させていくことは難しいことです。
ついにといいますか、やはりといいますか、同人誌図書館問題がついに「COMIC1」から「コミックマーケット」へとシフトしてきました。代表の一人が兼任しているこということで想像はつきましたが、こうも早急な行動に出るとは思わず驚いたというのが本音です。
《たどっていくべき順序――「COMIC1・コミックマーケット」見本誌明治大学寄贈問題》で書いた文の中に『おそらくこれから段階を踏んでサークル側にも働きかけていくことになるのでしょう』という風に書いたとおり、コミケ準備会はコミケ75の申し込みで図書館設立に関するアンケートを行いました。その結果が前出の「ごあいさつ」になるのですが、一部反対意見に対して『自分が同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしい』という、不明瞭な問いかけが行われました。
コミケが同人においての総本山のようなものというのは、確かに動かしようのない事実だと思います。しかし、あくまでも同人誌界の「一部」にコミケがあるのであって「全て」をコミケが占めているわけではありません。それに、同人の形態というのはジャンルごとどころか個人ごとにも違うわけで、考え方も本当に人それぞれです。
なのに、一部反対意見を一括りにした上で『同人誌を発行していることの意味・責任について、今一度考えてほしいと思います』と"同じ同人誌好きであったはずの人たち"から高みから見下ろしたような視線で言われましても、ただ戸惑うことしか出来ません。何故なら『同人誌を発行していることの意味』なんて、本当に人それぞれ違うはずなのですから。
作品の研究が高じて同人誌を作ろうと思った人がいる。
自分で考えた作品をどうしても形にしたいと思った人がいる。
特定作品が好きでたまらなくて同人誌を作ろうと思った人がいる。
友達が同人誌を作ろうって誘ってくれたからやろうと思った人がいる。
ショップで手に取った同人誌を見て自分も作りたいと思った人がいる。
原作ではさわり程度だったキャラ同士の恋愛シーンを見たいと思った人がいる。
終了した作品の続きを読みたくて自分でその続きを作ろうと思った人がいる。
ちょっと考えてみただけでもこれだけ出てきて、それぞれ考えていることも違うはずなのに、等しく「発行していることの意味」というものを突きつけた上で図書館の是非を問われましても、わけがわからず混乱する人だっているのではないでしょうか。同人に足を踏み入れたばかりの人や中高生には理解しがたいでしょうし、そもそも同人というものはそんなに敷居が高いものだったのでしょうか?
もし本当にサークルの協力を得た上で恒常的に公開をしたいのであれば、サークルに対して何らかのビジョンの提示があってから進められる話だと思うのですが、それらはようやくマンガ同人誌の保存と利活用に向けて −コミックマーケットの事例から−というWebページである程度公開されはしたものの、肝心のサークルに向けては前出のアンケートと「ごあいさつ」のみ。周知に足りうるものではありません。
また、恒常的な公開で付きものになるであろう「個人情報」問題も些細なことかのように扱っているのには苦笑いするばかりです。果たしてそれすらも「発行していることの責任」になるのでしょうか? こういった情報を一括して扱う場所を作るならば、起こりうる事態を最大限想定しておかないといけないはずだと思うのですが……
「図書館作りを進めよう」と思いついた人は一人もしくは数人でも、これまで数万人、数十万人、過去まで遡れば数百万人にも及ぶかもれしない人たちが様々な思いを携えて同人誌に関わってきたはずです。そして、その人達が向いていた方向は全員がバラバラ。それら色々な意見・思想を内包していくイベントだったはずだったコミケが、あらゆる前提をすっ飛ばして"同人活動に伴う責任"というものを突然突きつけて一つの方向に向かおうとしているのは残念でなりません。
準備会はこの「まず図書館作りありき」の動きを止める気はないようですが、これも「コミケは代替わりして、方針も変わった」と思うしかないのでしょうか。しかし、図書館での恒常的な公開に際し参加者の自由意志さえ奪われることになるのであれば、数えきれないほどの参加者が育て上げてきた場が「限られた人たち」の手で掌握されるということを意味するわけで、あまりにも先走りしすぎな行動と併せ、良き結末を迎えられるかどうか疑問に思います。
<2008.11.17 18:10 追記>
同人誌見本誌図書館に関する現状をまとめてみました。
【関連記事】
- 【重要】同人誌即売会「COMIC1」で集積された見本誌が、参加者に事前の告知なく明治大学図書館へ寄贈へ?
- 霧は未だ晴れず、まだ遮り続ける――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- すれ違いの不幸――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- 積み重ねられてきた、そして積み重ねるべき「信頼」――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- 女性サークル参加者が見た今回の騒動――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- 「米澤嘉博記念図書館」の話題が明治大学の資料に掲載――「COMIC1」見本誌寄贈問題
- たどっていくべき順序――「COMIC1・コミックマーケット」見本誌明治大学寄贈問題
-
▼
やはりコミケの図書館に反対意見が
今日の言わせれ11月6日に取り上げた同人誌図書館の件で、やはり反対意見というか反発する意見が出始めてますね。6日のエントリで書きましたが、個人情報の価値が図書館の構想が出た当時より重くなってきた以上、予想されてしかるべきものではあります。
▼ 2008/11/09(日) 「よつばの。読書会4th」に行ってきました。
先日からの告知どおり、武蔵小山で行われた国里コクリさん主催の「よつばの。読書会4th」に行って来ました。
開催前日までに「読書のお供の副読本」という各同人誌の解説・レビュー本を1冊用意。同人誌も愛用のカートバッグに詰め込んで、さーてこれで準備万端……のはずだったのですが。
朝9時半ごろ、会場の「荏原第一区民集会所」に無事到着。中に入るとスタッフの方々が設営をされている最中で、ホワイトボードに書くお手伝いをちょこっとしてから10時頃に自分の分のスペース設営作業が始まりました。
今回の読書会は、参加者一人分のスペースが「机を2本くっつけ、そこを1/3ずつ使う」という変則的な方式。最初はズラッと並べていたのですが、結局はジャンルごとにまとめて積んでおく方式へと変更……と、ここであることに気付きました。
「イチオシの本を枕元に忘れたーーーーーーーーーー!!!!」
絶対持っていくんだーと思っていた本を前日読んでいて、そのまんま家に忘れるという大失態をやらかしてしまいました。一応補充用の本(というかド突発シークレットにするはずだった)を持っていたので事なきを得ましたが……次回こそ、次回こそは絶対! つーかこの本こそが次回の目玉さ!
とんでもないヘマをやらかしてしまいましたが、気を取り直して設営も完了し11時に開場。自分も他の方のスペースを見てまわることにしました。以下は読んだ本の中でインパクトが残っている作品のリストと感想です。
開催前日までに「読書のお供の副読本」という各同人誌の解説・レビュー本を1冊用意。同人誌も愛用のカートバッグに詰め込んで、さーてこれで準備万端……のはずだったのですが。
朝9時半ごろ、会場の「荏原第一区民集会所」に無事到着。中に入るとスタッフの方々が設営をされている最中で、ホワイトボードに書くお手伝いをちょこっとしてから10時頃に自分の分のスペース設営作業が始まりました。
今回の読書会は、参加者一人分のスペースが「机を2本くっつけ、そこを1/3ずつ使う」という変則的な方式。最初はズラッと並べていたのですが、結局はジャンルごとにまとめて積んでおく方式へと変更……と、ここであることに気付きました。
「イチオシの本を枕元に忘れたーーーーーーーーーー!!!!」
絶対持っていくんだーと思っていた本を前日読んでいて、そのまんま家に忘れるという大失態をやらかしてしまいました。一応補充用の本(というかド突発シークレットにするはずだった)を持っていたので事なきを得ましたが……次回こそ、次回こそは絶対! つーかこの本こそが次回の目玉さ!
とんでもないヘマをやらかしてしまいましたが、気を取り直して設営も完了し11時に開場。自分も他の方のスペースを見てまわることにしました。以下は読んだ本の中でインパクトが残っている作品のリストと感想です。
