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2009/06/14(日) 同人誌感想記 第34回「KANONE」

(これまで紹介した作品の一覧はこちらです。)
タイトル:KANONE
サークル名:かのね屋 (Homepage)  作者:作画・さとPONさん シナリオ・Dさん
ジャンル:Kanon & ONE - 輝く季節へ -  購入イベント:コミックマーケット63(2002.12.30)
傾向:同人誌、及びアンソロジーの総集編


 1999年6月、Keyより美少女恋愛ゲーム「Kanon」が発売。物語性の高さもあって各所で話題を呼び、直後のコミックマーケット56では島中に配置されていたKanon系サークルが軒並み混雑したことで動脈硬化状態になったほどの爆発的な人気を博しました*1。その後も「Eternal Kanon」や「Bright Season」「杜の奇跡」といったオンリーイベントの他、キャラごとのオンリーイベントまで開かれるほどのブームが巻き起こりました。

 本作は「かのね屋」のお二人が「Kanon」「ONE」で描かれた同人誌、及びアンソロジー掲載作品の総集編で、274Pという大ボリューム、かつ各ヒロインの物語を網羅した充実の作品となっております。栞シナリオ後にほのめかされたあゆの存在が描かれた「Last Wish」にあゆシナリオ後、秋子さんからあゆの目覚めのことを聞いた祐一がもう一度再会しに行く「Last Wish - Tukimiya Ayu -」、舞シナリオでの魔物との最後の戦いとそれからのことを描いた「月影の檻」に、真琴シナリオでの冬の別れと春の再会を描いた「Tinkle Bell」、そして名雪の誕生日に改めて雪うさぎを贈ることとなる「雪という名の想い」。他にも栞やあゆの短編一編ずつに「ONE」から浩平が澪のもとに戻った後、今度はちゃんと澪の演劇の出番を見送る「だいすきなひと」、さらにはギャグサイドとしてデ・●・キャラットと融合させた「か・の・キャラット&お・ね・アイスちゃん」にブラック要素を織り交ぜた4コマ「好きとか嫌いとか」と、非常に盛りだくさんな内容となっております。

 中でも目を惹くのが「Tinkle Bell」。自分も真琴本を作るなど真琴シナリオにハマッていたのもありますが、物語の終盤において(ネタバレ反転)真琴が祐一の腕の中で消えてしまう原作の場面が丁寧に描かれていたり、美汐が短いながらも愛おしかった真琴との日々を想い、二人して涙してしまうシーンがあったりと、真琴シナリオにおいてぼやかされていた解釈がしっかりと描かれているのがとても嬉しかったです。また、原作のエンディングではぼやかされていた真琴が戻ってきたかどうかという結末は明るい解釈で描かれており、祐一との結婚式を思い出した真琴がベールを握りしめて涙していた姿がとても印象深いものとなっていました。やっぱり、真琴と祐一はこうでないと……と、うんうん頷きながら思ったり。

 優しさに満ちあふれたDさんの物語に、細やかで丁寧なさとPONさんの作画が合わさり、読んでいるこちらまで思わず笑顔になってしまうような心温まる作品の数々……かと思いきや、終盤のギャグサイドにはみさき先輩と香里がぷちこ化してたり、非常にダークに見下げてくる香里がいたり、えここのコスプレをしたシュン(男)に浩平が幕ノ内コンボ*2を炸裂させたりと、緩急自在の気が抜けない構成。先ほどの笑いとはまた違った笑いがこみ上げてくる感じ。今でも本棚から取り出し、よく読みふけるお気に入りの一冊です。

*1 : 実際には7月に発売されたカタログにおいて既に多数のKanon系サークルが見られたことから、発売前である2月の時点でKanonで申し込みをしていたサークルが存在していたようです。

*2 : 「はじめの一歩」における幕ノ内一歩の必殺技の数々


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