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2009/06/13(土) 同人誌感想記 第33回「近いこと 遠いこと」「さきのはなし」

(これまで紹介した作品の一覧はこちらです。)

タイトル:「近いこと 遠いこと」「さきのはなし」
サークル名:下り坂道   作者:双見 酔さん
ジャンル:創作   購入イベント:コミティア in 東京88(2009.5.5)
傾向:学生同士と年の差同士の、それぞれの恋のやりとり


 放課後、誰もいなくなった教室で小説を読みふけるのが楽しみな男の子・八坂。いつも一人きりなはずの彼だったが、学年が変わるとともに乃木山という女の子がともに教室にいるようになる。やがて彼女とも小説のことをきっかりに話すようになり、ともに帰るようにもなる。しかし、それは彼女にとってはあることからの"逃げ"だった。

 一人きりの空間にもう一人が加わり、その一方ではいつも一緒にいたはずの場所から一人がいなくなってしまう……どちらも学生の切ない恋模様を描いた表裏一体のお話で、八坂視点の「近いこと」では乃木山がどうしてこの場にいるのか、そして乃木山視点の「遠いこと」ではどうして乃木山がその行動に至ったのかという経緯を外面と内面の両方から丁寧に描かれています。だからといって切なすぎるというわけではなく、八坂と話していくうちに少しずつ打ち解けるようになり、幕間で乃木山のお茶目な姿を見ることもできます。

 また、乃木山がどうして来るようになったのかを知った八坂の心の移り変わりも「初恋」というちょっぴり切ない記憶を想起させたり。かと思えば、彼も乃木山との日々が満更でも無いようで……といった感じに、甘かったり苦かったりといういろんな「恋模様」が味わえる作品となっています。

「さきのはなし」も恋愛がテーマの作品ですが、こちらは小説家と高校生による「進路」のお話。学生時代に誰もが通ることになるものですが、職業という確としたものでなく「想い」という意志だけでも確かに進路になるんだなと。ただ歩道橋で佇んでるのを見てるだけで「自殺願望者」と早合点する早樹と、無防備かつぽややんの修平のやりとりが見てて微笑ましいところ。こちらも「二人だけ」の独特な空間があり、じっくりと楽しむことができました。

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