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2009/06/10(水) 同人誌感想記 第30回「one's will」

(これまで紹介した作品の一覧はこちらです。)
タイトル:one's will
サークル名:EVER BLUE (Homepage)  作者:夜凪ゆとさん
ジャンル:WILD ARMS Altercode:F  購入イベント:コミックマーケット75(2008.12.29)
傾向:シリアス・ロディの生誕秘話イベント補完


 Playstation1のオリジナルRPGとして発売された「WILD ARMS」。ファンタジーに西部劇テイストがミックスされた世界観やストーリー、なるけみちこ氏などによる美麗な音楽や初めてプレイする者の度肝を抜いたオープニングアニメーションなどで人気を博し、現在はPlaystation2用の「5th Vanguard」までシリーズが展開されています。今回ご紹介する同人誌はその初代作品のリファイン版ともいえる「Altercode:F」から、主人公の一人であるロディの生誕に関するシーンの補完話です。

 未プレイの方のためにも大きなネタバレは致しませんが、ロディは常人とは異なる能力を持ち、中盤の重要イベントで自らが傷つくことによってその正体を仲間たちだけでなく、何も知らなかったロディ自身も思い知らされることになり、自らの精神の中に閉じこもってしまいます。その正体を見てしまった仲間の一人・セシリアは思うままの感情をこぼし、もう一人の仲間・ザックに咎められ自らの行いに気付く――といった場面からお話は始まり、セシリアのロディへの贖罪や、ザックの仲間としてのロディへの信頼、そして本編イベントの要となっていた"自らの中に閉じこもり、彷徨うロディ"という、それぞれの視点から見た"仲間たち"への想いが一つ一つ描かれています。

 セシリアは混乱して大切な仲間を遠ざけてしまったことを悔やみ、ザックはそれでも今までのロディとの日々を振り返り仲間を信じ、ロディは絶望にありながらも仲間たちの呼びかけに応えようとする……原作の特色である"仲間たちの結束の強さ"という要素をよく活かし、最終的にその原因である「異能力」をも信頼へと変えていくという展開には、原作をプレイした当時に感じていた間隙が埋まっていくかのような思いでした。

 ラフでありながら、隅々まで陰影などが行き届いた画風も原作の雰囲気を感じられるもの。プレイしてから長い月日が経ちますが、プレイした当時の記憶が思い起こされる佳き作品でした。

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