▼ 2008/08/05(火) 「ラジオでGO!」とラジオの思い出
最近は私事の関係上作業したり出掛けたりすることが多いのですが、時間つぶしや作業中のBGMとしてラジオをよく聴いています。昔から聴いていたのでその流れというのもありますが、聴くだけのメディアというのも想像力が刺激されてなかなかいいものです。先日本屋に行ってふらふらしていたところ、新刊コーナーで「ラジオでGO!」というタイトルのマンガを発見。ラジオが題材のマンガとは珍しいなーと思って購入してみたところ、90年代以降のラジオファンにとっては実にたまらない素晴らしい作品で一気にのめり込んでしまいました。
主人公は声優でパーソナリティ初挑戦の女の子・沢渡ちとせと「ラジオきらら」で局アナをしている女性・小石川沙絵の二人。それにプロデューサーの風見綾子、ディレクターの相沢、音響技術の藤田に営業の二階堂凜という面々が賑やかに「ラジオでGO!」という番組を作っていくというお話です。
ラジオの放送中や打ち合わせ中に打ち上げ、プライベートや別件のお仕事中、ちょっと羽を伸ばしてちとせの故郷やリスナーの集いに行ったり、時折エアチェック中のリスナーの部屋を見てみたりと「ラジオ」が関わる色々な場所が舞台。受験シーズンやハガキ選び、ノベルティ(番組製プレゼント)という番組の内側に関わるお話もあったりして、ラジオを聴いている人にとっては馴染みのある場面が多く、実に親しみやすい作品になっています。
何より作者の「なぐも。」さん自身がラジオファンということで、ラジオに対する愛情が作品からひしひし感じられるのがいいところ。巻末あとがきで「痴豚様」*1という単語が出てきただけでガチなのですが、なぐも。さんの5月7日の日記を見て思わず絶句。「ツインビーPARADISE1〜3」*2*3「電撃パラダイス」*4「ゲームミュージアム」*5「魔神英雄伝ワタル4」*6「ときメモ」*7「あかほりさとる」*8「広井王子」*9「林原めぐみ」と、まさにアニラジ黄金時代のテープが山ほど……こういった積み重ねが、作品のクオリティに反映されているのでしょう。
そのあたりで一番ビックリしたのは「ノベルティ」というお話。ちとせが中学生でハガキ職人をしていた頃のノベルティが実家から送られてくるという話なのですが、その中に「HAMUKATSU WIDE」というロゴが描かれた女性物下着が。「そーいやこういうしょーもないもんプレゼントしてた番組があったなー。なんだっけなー」と笑いながら思い出してみたら、
「とんかつワイドの『とんティ』*10かっ!!」
と思わず絶叫。文化放送で一時代を築いていた夜ワイド番組「斉藤一美のとんカツワイド」*11のノベルティのパロディが出てきたのですから。こういった懐かしの小ネタまで飛び出してくるあたり「実によくわかっている人だなぁ」と感心してしまいました。

なぐもさんが制作された公式HPには、作品の簡単な紹介や人物データーなどの他、「まんがタイムきららCarat」の作品ページの柱で実際に読まれる「ハシラでGO!」という企画まであって実に至れり尽くせり。
物語の現在の流れとしてはスタッフ陣同士etc.でほんのりとしたラブコメ展開がゆっくりと進行中で、微笑ましくてなかなかいい感じ。ラジオネタだけでなくキャラ同士の関係もしっかり描かれていて、飽きが来ないいい作品に仕上がってます。ラジオ好きの人だけでなく、コメディが好きな人に是非ともおすすめしたい作品です。
写真は本誌と、前出の「とんカツワイド」のハガキ職人時代、番組の企画で電話したら色々あって貰ったプレゼント「サイン入り『あぶらみぷらざあず(赤盤)』」*12。とんクスじゃなくてこっちが来たのがショックだったというのもまた佳き思い出。
ここからは更にディープなラジオ話になりそうなので「続き」で。
ここまで書いて思い返すと「いろんなラジオを聴いたなー」と感慨深くなってみたり。その多くがアニラジ系っていうのが実にアレではありますが。
「書院」のフロッピーの中から、高校時代に作っていた昔の自前番組表(これまでネタにされてたってことはお仲間が多かったのか?)が出てきたので、聴いてたのをちょいと抜き出してみると……うわなにこの量。どう見てもダメ人間です。
小学〜中学生の頃、真夜中にラジオ関西や東海ラジオ、ラジオ大阪の電波を拾うためにコートをガチガチに着込んで河原でラジオを聴いていたり、96年末にループアンテナ*13を購入してからは「どれを録音してどれを聴くか」と表を作って順番を考えていくというのを毎日毎週やって、高校の行き帰りにウォークマンで消化していくなんつー馬鹿なことをやっとりました。色々部屋を探してみたら「緒方恵美の銀河に吠えろ!」とか「子安・氷上のゲムドラナイト」「同級生 恋愛専科」とかのカセットまで出てきたし。カセット関係の機材が全て壊れてるのが恨めしい……今度リサイクルショップにでも行ってみようかな。
今は亡きアメージングスクエアへ公録に行ったり、ハガキを出してはレベルの高い職人の前に敗北続きだったり、今思えば十年前ぐらいまでは本当にラジオ漬けな毎日でした。今現在も「鬼玉」「ライオンズナイター」「ファンキーフライデー」とか聴いてたり、スマートフォンにインターネットラジオのURLをぶち込んだりして聴いていますが、やっぱり「音だけ」っていう想像の余地があるメディアだからこそ飽きずにいられるんですかね。
※その最たるものが「味」を想起させた「ラジオ・マリーのアトリエ」。その壮絶な詳細はこちらから。
8年前にもラジオ関係のことを書きましたが*14、インターネットラジオなどが増えている昨今、その独特の魅力に惹きつけられる人は今なお多いのでしょう。そんな中で出てきたこの「ラジオでGO!」という作品は、題材としては新しさを、雰囲気としては懐かしさを感じるという不思議な作品。ネタとしても展開としても、これからの行方が実に楽しみです。
*1 : 深夜ラジオでお馴染み・伊集院光のこと。
*2 : 文化放送etc.で放送していた「合言葉はBee!!」でお馴染み、国府田マリ子さんの番組。合言葉ばっかり注目されたけどラジオドラマも良かったのです。
*3 : 元Beeメイツとかそういう過去が自分にはあったようななかったようなそんな感じがするようなしないような
*4 : TOKYO-FMで放送していた皆口裕子さんの番組。ゲーム音楽etc.を扱っていた。
*5 : OBCラジオ大阪etc.で放送していた国府田マリ子さんの番組。ゲーム音楽専門。
*6 : 文化放送・ラジオ大阪で放送していた田中真弓さん・伊倉一恵さんの番組。前身の「3」(1991年9月〜1992年3月放送)がラジオドラマ(別名ラジメーション)ブームの先駆けとなった。
*7 : 文化放送etc.で放送されていた丹下桜さんの番組「もっと!ときめきメモリアル」。冒頭のポエムとラジオドラマが特徴だった。
*8 : あかほりさとるさんと水谷優子さんの番組「のわぁんちゃってSAY!YOU!」。とにかく外道で番組本とかも出していた。
*9 : 文化放送etc.で放送されていた番組「広井王子のマルチ天国」シリーズ。ぶっつけ本番ラジオドラマ「火星物語」は素晴らしいクオリティの作品として根付いた。
*10 : 「とんカツパンティ」の略。女性にはこっちが、男性には「とんクス(とんカツトランクス)」が送られていた。
*11 : 1993年4月〜1997年3月まで放送していた夜ワイド番組。どう見ても久米宏似な斉藤一美アナが頭頂部だけ髪を残して針金状に伸ばすという奇抜な髪型をしたり「横綱・鐘ヶ淵」として川崎球場で公開録音をやったり、先輩局アナ・國吉健(通称ガンジー)氏をネタにしたパロディ番組「ニュースセンターガン時ー」を無断でやったりと毎回トンデモなことをしていた。現在、斉藤アナは野球中継など文化放送のエースとして活躍中。
*12 : 「のわぁんちゃってSAY!YOU!」で制作されたコントCDのひとつ。
*13 : 遠距離のAM波の感度を良好にするアンテナ
*14 : うわー今見ると恥ずかしい文ばっかりだわ……
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