同人ソフト温故知新 番外編Vol.5
- 制作者アンケートインタビュー その4「MIX-BLOOD」浦 和雄さん -
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制作者アンケートインタビュー、4回目の今回は、88同人サークルとして活躍されていた「MIX-BLOOD」(本編第6回紹介)の代表であり、現在では「有限会社スケアクロウ」で「アボガドパワーズ」などのブランドを統括されている、浦 和雄さんよりお返事を頂きました。水没の後処理や新作の制作中でお忙しい中、細かいところまでお返事を頂けたのが嬉しかったです。
それでは、じっくりとお読み下さい。
| ―― | 浦さんが「MIX-BLOOD」というサークルで同人ソフトを制作されたきっかけはどういったものでしたか? |
| 浦: | 高校生の頃、当時あったテクノポリスという雑誌にて同人ソフトを知りました。 安価ではありますが、1000円とか1500円とかでソフトが買えるという事で物はためしと買ってみた所、あまりにも内容がお粗末だった事に衝撃を受け、この程度でいいのであれば、自分でも作れるんじゃないか? そして1本売れたら1000円も貰えるならば下手なバイトするよりもいいかもしれないなどと、貧乏学生だった頃の魅力的なお小遣い稼ぎを目論んでスタートしたのがきっかけ。 どうせ作るなら、買ってくれる人達が納得出来るクオリティーでリリースし、損したと思わせない物を作ろうとしました。元々、中学生のころ何かの雑誌でゲーム会社のインタビューを見て、ゲームを作成する事を仕事にしたいという事も大きな要因でして、そのままソフト業界を生業として行けるレベルでの作品を作ろうと必死でした。 結局初めてのソフトが完成した時には、社会人(自衛官)してましたが(笑) |
| ―― | 制作時に楽しかったことは何でしたか? |
| 浦: | バグが取れた時。 当時ファルコム信者だったので、荒くはあるけれども、オマージュ(ぱくりともいう)処理を自分で出来た時など。(例:戦うミモちゃん大冒険のラストはYsUのラストと同じく背景をアニメーションさせた) |
| ―― | 制作時に大変なことは何でしたか? |
| 浦: | まだ、88用のオリジナルのDOSが無かった頃、ファイルアクセスを早くするために必要なデータをセクタに直接書き込んで、セクタ情報を自分で管理していた頃。手帳にはぎっしりとどのセクタになんの情報が入っているかのメモばかり。 また、サークルの人達が全て遠方に居り、会いに行くのに電車で3時間とかとの距離の差、主な連絡手段は電話というのがネックでした。電話代だけで月1万近くかかってましたし。 あと、原因不明のバグ。バグを取るために無茶なコードを書き、更にバグが増えるという悪循環。 |
| ―― | 制作時の人数は何人でしたか? |
| 浦: | 主となるのは2人。あとは音楽、マニュアル作成等を他の人に手伝ってもらったりで全部で6人です。 その6人全員がソフト業界にとりあえず入ったのは見事だと思います |
| ―― | 制作時の開発環境をお教え頂ければ幸いです。 |
| 浦: | 当時は8801FR/MA2及びPC-286VEだったような気がします。 ゲームの中核はHIT−88というアセンブラ使ってました。面クリアやタイトル処理等速度が要求されない所はBASICで書いておりました。 今考えれば、全部アセンブラで記述してしまえば良かったかと。 |
| ―― | 制作時に「これだけは絶対にしよう」「これだけは絶対やらないようにしよう」と決めていたことはありましたか? |
| 浦: | きちんとした物をリリース出来るようにしよう。出来うるかぎり商業ソフトと遜色無いレベルの物を作り出していこうとしてました。 |
| ―― | 主に参加されていたイベントは何でしたか? |
| 浦: | パソケット。コミケは一度だけです。 |
| ―― | ここ最近の同人ソフトの世界を見て、どう思われますか? |
| 浦: | 大規模、もう売り上げが商業レベルと変わらないサークル。なぜ同人なのか解らない所も多々アリます。不思議な世界です。 |
| ―― | 今現在、制作されているもの(同人ソフトに限らず)、また今後制作を予定されているものは、どういったものがありますか? |
| 浦: | 現在は、会社(アボガドパワーズ、XYZ)を運営するのが精一杯でして制作には直接携わってないのが現状です。落ち着いたらまた何か作ってみたいとは考えております。 |
| ―― | 最後に、あなたにとって、同人ソフトとはどういった存在でしたか? |
| 浦: | 人生の転機を迎えた素晴らしいもの。ゲーム業界を目指す人達にとっての鍛錬する場であったと思います。 今では、専門学校等が乱立している状態ではありますが、習うより育つ場としては、学校へいくよりもずっと良いと考えます。 |
| ―― | その他、何かメッセージ・宣伝などがありましたらよろしくお願い致します。 |
| 浦: | この10年で50タイトル近くのソフトを手がけてきました。 ソフトのスタッフロールで見かけたらにやりとしてください。 |
専門学校で学ぶことはできても、ユーザーの方と同じ参加者として接して、そして育っていくという場として、同人ソフトというのはいいかもしれませんね。
突然の依頼にもかかわらず返答していただき、お忙しい中本当にありがとうございました。