同人ソフト温故知新 Vol.5
※
本文中の人物名は敬称を一部略させて頂きます ※
※ 画像・文章の無断転載は禁止させて頂きます ※
No.11 「ザルバールの蒸留塔FW」
機種 PC-9801VX21以降
初回頒布 '95
サークル ONION SOFTWARE
![]() ステージ1の開始画面。 偉人の名言の一部に「蒸留」と入れられてます。 |
![]() ステージ1開始画面。 上にある赤と青の液体の特性を掴みましょう。 |
![]() ステージ1クリア。 掘り方を間違えるととんでもないことに。 |
![]() ステージ5。 見事に失敗している場面です…… |
それでは、今回はPC-9801の同人ソフトから2作品を紹介しましょう。
9801初期の頃は、8801に比べてグラフィックまわりが多少使いづらかったということもあり、ソフトの移植も一部のソフトで計画されながら断念されたり、幾分か簡略化されて移植されたりと、完全移植のソフトがある中でこういったことがありました。しかし、4096色中16色が扱える拡張ボードが発売されたり(VM21から標準装備に)、640*400という当時にしては高い解像度を持っていたため、徐々に9801独自のソフトが出てくるようになり、同人ソフトでも88の移植からオリジナル作品が増え始め、93年あたりからは秋葉原のショップなどでの委託頒布も見かけるようになりました。
こちらのソフトを制作された「ONION SOFTWARE」さんは、8801・9801の同人ソフト黎明期を支えていたサークルさんで、後に商業ベースで販売された「まじゃべんちゃー・ねぎ麻雀」(※1)を筆頭として、ゲームミュージックの雄・古代祐三氏などを迎えたゲームも同人で発表され、現在ではソフトウェアプログラミングスクリプト「Hot Soup Processer」を頒布されている、同人ソフトに多大な影響を与えたサークルさんです。自分自身、小学生時代にサルのようにやったエロゲが「ねぎ麻雀」だっただけに……げふんげふんっ。
えっと、気を取り直しまして。
こちらのソフトは、同人ソフトとして頒布されている「ザルバールの蒸留塔」をフリーウェア化したもので、8ステージが遊べるようになっています。ゲーム内容も単純明快で「左端のパイプから青の液体だけを規定以上抽出する」というもの。赤い液体を規定以上抽出してしまうと爆発してしまうので、うまく通り道を造らなければなりません。しかも、ステージごとに壁やら液体の出所やらがややこしくなっているので、ちゃんと考えなければすぐに赤の液体を抽出してしまうので注意です。しかし「青=水、赤=油」という特性を覚えておけばいくらかは楽になると思います。
「簡単だ」と思いつつもやってみると、その抽出で迷ってしまい、何度もプレイしてしまいたくなるというサル要素があるので、パズル好きの方はプレイしてみるといいと思います。なお、こちらのほうはHP上でも無料配布されていますので、実機、もしくはエミュ+ディスクイメージ用ユーティリーティーソフトを駆使してプレイしてみてください。
なお、今回紹介するにあたりまして、苦楽まにあさんやretropc.netの方々にご協力頂いたことを、ここに付記いたします。
No.12 「STEEL GUNNYAN - 鋼鉄銃娘 -」
機種 PC-9801VX21以降
初回頒布 '92
サークル Studio玄米茶
![]() ステージ1開始画面。 実機だけでなく、エミュでも喋ります! |
![]() ステージ1。画面は粗いですが、 その分スピード感が凄いです。 |
![]() ステージ1中ボス。もう瀕死の状態。 スピードに慣れていくまでが一苦労…… |
1面クリア。 幕間のCGは16色とは思えないほど綺麗。 |
このソフトに全力を注ぎ、このソフトで幕を閉じたというサークル「Studio玄米茶」さんの作品。今回retropc.netのIRCで紹介していただき、プレイしてみたのですが……いや、このパワーは凄いです。粗い画面と侮るなかれ、というゲームでした。
こちらのゲームの制作経緯などについてはStudio玄米茶さんのHPで読んで頂きたいと思うのですが、某ス●ィールガンナーというnamc●のゲームにインスピレーションを受けたというこのソフト、98の性能を完全に引き出したものになっています。ゲーム中の画面は粗いながらも、その分十分なスピード感を出すことに成功し、またFM音源もフル活用し、重厚で緊張感のある音楽だけでなく、なんとFM音源だけでキャラを喋らせるという、当時ではまだ一部のゲームでしか使われていなかった技術をふんだんに盛り込んでいるところからして「燃え尽きた」というのもわかるような気がします。商業でもできないようなことをやってしまう――これぞ同人の神髄、というのを見せて頂きました。
さて、後回しになってしまいましたが、ゲーム内容です。
「200X年、ネオ東京――テロリスト集団「Gunners」の度重なる破壊活動により治安は乱れ、市民の安全が脅かされていた。事態を重くみた当局は対テロリスト特殊警察を派遣した。コードネーム『鋼鉄銃娘』」。重火器を扱わせたら彼女の右に出るものはいない。Gunnersのリーダー「K.O.B.」。ヤツは一体何をたくらんでいるのだろうか……?」(本体付随のドキュメントより)。ストーリーからしてハードですが、実際にプレイしてみるともっとハードだと感じます。
ゲームとしては「オペレーションウルフ」(※2)のようなガンアクションゲームなのですが、横スクロールだけではなく前スクロールもあり、さらにスピードも急激に変化するので、慣れるまでに一苦労。しかもお約束として民間人もいるのですが、それだけでなく、窓ガラスや植木などに弾を撃ち込んでしまうと苦情が寄せられ、ステージクリア時のライフ回復が少なくなってしまうので注意を払うことが必要です。しかもミサイルは飛んでくるわ敵がにゅっと現れてくるわ、さらには一気に10キャラくらい出てくるわでもう大変です。
タイトルや幕間のCGも美麗で、商業作品でもこれだけのソフトを98で作るのは大変だと思うのですが、わざわざビデオをゲーセンに持ち込み、ス●ィールガンナー多角的に研究してここまで作り上げてしまうのは、本当に凄いとしか言いようがありません。
このソフトのネット配布版は、GR-DOSというMS-DOS互換のOSを搭載してディスクイメージ化しているため、MS-DOSのディスクを持っていなくとも「NekoProjectII」ですぐプレイすることが出来ます。動作も非常に軽いので、是非ともプレイしてみてください。
※1 まじゃべんちゃー・ねぎ麻雀
商業版は1986年、徳間書店から発売。いわゆる2人打ち麻雀で、勝てば女の子が脱いでくれるタイプなのですが、いろいろな隠し要素があり、復活の呪文やらRPG風のゲーム(98限定??)やらがあり、メイン以外にもいろいろと楽しめました。麻雀に関しては、途中から鬼のように強くなったのをよく覚えています。
※2 オペレーションウルフ
1989年、タイトーよりアーケードゲームとして発表。戦争を舞台にした横スクロールタイプのガンアクションで、AMIGAやFM-TOWNS、PCエンジンにも移植されています。パソコン版はマウスオペレーションゲームだったのですが、PCエンジン版はコントローラー操作だったので照準を合わせにくかったのをよく覚えています。